I017 口腔内装置(1) 「注」に規定する口腔内装置は、次に掲げるいずれかの装置をいう。イ 顎関節治療用装置ロ 歯ぎしりに対する口腔内装置ハ 顎間固定用に歯科用ベースプレートを用いた床ニ 出血創の保護と圧迫止血を目的としてレジン等で製作した床ホ 手術に当たり製作したサージカルガイドプレートヘ 腫瘍等による顎骨切除後、手術創(開放創)の保護等を目的として製作するオブチュレータート 気管内挿管時の歯の保護等を目的として製作した口腔内装置チ 不随意運動等による咬傷を繰り返す患者に対して、口腔粘膜等の保護を目的として製作する口腔内装置リ 放射線治療に用いる口腔内装置(2) 「1 口腔内装置1」とは、義歯床用アクリリック樹脂により製作された口腔内装置をいう。(3) 「2 口腔内装置2」とは、熱可塑性樹脂シート等を歯科技工用成型器により吸引・加圧して製作又は作業模型に常温重合レジン等を圧接して製作された口腔内装置であり、咬合関係が付与されたものをいう。(4) 「3 口腔内装置3」とは、熱可塑性樹脂シート等を歯科技工用成型器により吸引・加圧して製作又は作業模型に常温重合レジン等を圧接して製作された口腔内装置であり、咬合関係が付与されていないものをいう。(5) 特に規定する場合を除き、印象採得を行った場合は区分番号M003に掲げる印象採得の「3 口腔内装置等(1装置につき)」、装着を行う場合は区分番号M005に掲げる装着の「3 口腔内装置等の装着の場合(1装置につき)」により算定する。また、「2 口腔内装置2」及び「3 口腔内装置3」を製作するに当たり、咬合採得は所定点数に含まれ算定できない。(6) (1)の「イ 顎関節治療用装置」を製作した場合は、「1 口腔内装置1」又は「2口腔内装置2」のいずれか該当する項目により算定する。当該装置の装着後、咬合関係等を検査し、調整した場合は1口腔1回につき区分番号I017-2に掲げる口腔内装置調整・修理の「1のハ イ及びロ以外の場合」により算定する。なお、咬合採得を行う場合は、区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(2) 多数歯欠損」により算定する。(7) (1)の「ロ 歯ぎしりに対する口腔内装置」を製作した場合は、「1 口腔内装置1」、「2 口腔内装置2」又は「3 口腔内装置3」のいずれか該当する項目により算定する。当該装置の製作に際し印象採得を行った場合は区分番号M003に掲げる印象採得の「3 口腔内装置等」を、咬合採得を行った場合は区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(2) 多数歯欠損」(「1 口腔内装置1」の場合に限る。)を、装着を行った場合は区分番号M005に掲げる装着の「2のニの(1) 印象採得が困難なもの」により算定する。(8) (1)の「ロ 歯ぎしりに対する口腔内装置」を「1 口腔内装置1」又は「2 口腔内装置2」により製作した場合において、装着後、咬合関係等を検査し、調整した場合は1口腔1回につき区分番号I017-2に掲げる口腔内装置調整・修理の「1のロ 歯ぎしりに対する口腔内装置の場合」により算定する。(9) (2)から(4)までにかかわらず、(1)の「ホ 手術に当たり製作したサージカルガイドプレート」について、顎変形症等の患者に対する手術を行うに当たり、顎位の決定を目的に製作したものについては1装置に限り、「1 口腔内装置1」の所定点数を算定する。この場合において、必要があって咬合採得を行った場合は区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(2) 多数歯欠損」により算定する。また、同一手術において複数の装置を使用する場合については、2装置目からは、1装置につき「3 口腔内装置3」の所定点数により算定する。なお、顎変形症等の患者に対する手術における顎位の決定を目的とする場合以外については、(2)から(4)までにかかわらず、「3 口腔内装置3」により算定する。(10) (1)の「リ 放射線治療に用いる口腔内装置」とは、頭頸部領域における悪性腫瘍に対して、第11部に掲げる放射線治療(区分番号L002に掲げる電磁波温熱療法を単独で行う場合及び区分番号L004に掲げる血液照射を除く。)を行う際に、密封小線源の保持又は周囲の正常組織の防御を目的とする特別な装置をいう。当該装置を製作し装着した場合は、(2)から(4)までにかかわらず、「1 口腔内装置1」の所定点数を算定する。当該装置の製作に際し印象採得を行った場合は区分番号M003に掲げる印象採得の「2 ホ(1)印象採得が困難なもの」により、装着を行った場合は区分番号M005に掲げる装着の「2のニの(1) 印象採得が困難なもの」により算定する。区分番号M006に掲げる咬合採得は所定点数に含まれ別に算定できない。(11) 区分番号I017に掲げる口腔内装置の製作後に患者の都合等により診療を中止した場合の請求は、第12部歯冠修復及び欠損補綴の歯冠修復物又は欠損補綴物の製作後診療を中止した場合の請求と同様とする。(12) (1)の「ヘ 腫瘍等による顎骨切除後、手術創(開放創)の保護等を目的として製作するオブチュレーター」とは、腫瘍等の切除手術により上顎骨が大きく欠損し、口腔と上顎洞及び鼻腔が交通している場合において、手術創粘膜の保護、開放創の維持及び上顎洞等への食片流入防止等を目的として製作した装置のことをいう。当該装置を(4)に規定する製作材料及び製作方法により製作した場合は、(4)の規定に関わらず「2 口腔内装置2」により算定する。また、当該装置の製作に当たり印象採得を行った場合は、1装置につき区分番号M003に掲げる印象採得の「2のロ 連合印象」により、咬合採得を行った場合は区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(2) 多数歯欠損」により、装着を行った場合は区分番号M005に掲げる装着の「2のニの(2) 印象採得が著しく困難なもの」により算定する。ただし、下顎骨の腫瘍等による顎骨切除後、手術創(開放創)の保護等を目的として製作した装置は、(1)の「ニ 出血創の保護と圧迫止血を目的としてレジン等で製作した床」により算定する。(13) (2)から(4)までにかかわらず、(1)の「ハ 顎間固定用に歯科用ベースプレートを用いた床」、「ニ 出血創の保護と圧迫止血を目的としてレジン等で製作した床」、「ト 気管挿管時の歯の保護等を目的として製作した口腔内装置」又は「チ 不随意運動等による咬傷を繰り返す患者に対して、口腔粘膜等の保護を目的として製作する口腔内装置」を装着した場合はいずれも「3 口腔内装置3」の所定点数により算定する。(14) 口腔内装置を算定する場合は、(1)のイからリまでのいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。