I011 歯周基本治療(1) 歯周基本治療は、歯周病の炎症性因子の減少又は除去を目的とする処置をいい、歯周病検査等の結果に基づき必要があると認められる場合に実施する。歯周病検査が実施されていない場合は、算定できない。なお、歯周基本治療は、「歯周病の治療に関する基本的な考え方」(令和2年3月日本歯科医学会)を参考とする。(2) スケーリングとは、歯面に付着しているプラーク、歯石、その他の沈着物をスケーラー等で機械的に除去することをいう。(3) 2回目以降のスケーリング及びスケーリング・ルートプレーニングは、歯周病検査の結果を踏まえ、その必要性、効果等を考慮した上で実施する。(4) 「1 スケーリング」を実施した後、同一部位に対し、再度「1 スケーリング」を実施した場合は、所定点数(注1に規定する加算を含む。)の100分の50により算定する。また、「2 スケーリング・ルートプレーニング」を実施した後、同一部位に対し、再度「2 スケーリング・ルートプレーニング」を実施した場合は所定点数の100分の50により算定する。(5) 区分番号J063に掲げる歯周外科手術と同時に行われた歯周基本治療は、歯周外科手術の所定点数に含まれ別に算定できない。(6) 混合歯列期歯周病検査に基づく歯周基本治療は、「1 スケーリング」により算定する。また、混合歯列期の患者の混合歯列期歯周病検査以外の歯周病検査に基づく「2 スケーリング・ルートプレーニング」を行う場合は、十分に必要性を考慮した上で行うこと。(7) (1)の規定に関わらず、区分番号D002-6に掲げる口腔細菌定量検査を行った場合、有歯顎患者に限り口腔バイオフィルム感染症の治療を目的として、「1 スケーリング」に限り算定して差し支えない。なお、「口腔バイオフィルム感染症に対する口腔細菌定量検査に関する基本的な考え方」(令和4年3月日本歯科医学会)を参考とし、歯周病と口腔バイオフィルム感染症の治療を目的として、それぞれの疾患につき当該処置を行った場合においても、歯周基本治療はどちらか一方の主たる疾患に対してのみ算定する。