D011 有床義歯咀嚼機能検査(1) 有床義歯咀嚼機能検査とは、区分番号I017-1-3に掲げる舌接触補助床、区分番号M018に掲げる有床義歯、区分番号M019に掲げる熱可塑性樹脂有床義歯、区分番号M025に掲げる口蓋補綴、顎補綴又は区分番号M025-2に掲げる広範囲顎骨支持型補綴(以下この区分番号、区分番号D011-2及び区分番号D011-3において「有床義歯等」という。)の装着時の下顎運動、咀嚼能力又は咬合圧を測定することにより、有床義歯等の装着による咀嚼機能の回復の程度等を客観的かつ総合的に評価し、有床義歯等の調整、指導及び管理を効果的に行うことを目的として行うものであり、有床義歯等を新製する場合において、新製有床義歯等の装着前及び装着後のそれぞれについて実施する。(2) 「1のイ 下顎運動測定と咀嚼能力測定を併せて行う場合」とは、下顎運動測定と咀嚼能力測定を同日に実施するものをいい、「2のイ 下顎運動測定と咬合圧測定を併せて行う場合」とは、下顎運動測定と咬合圧測定を同日に実施するものをいう。(3) 下顎運動測定とは、三次元的に下顎の運動路を描記可能な歯科用下顎運動測定器(非接触型)を用いて、咀嚼運動経路を測定する検査をいう。(4) 咀嚼能力測定とは、グルコース分析装置(グルコース含有グミゼリー咀嚼時のグルコース溶出量を測定するもの)を用いて、咀嚼能率を測定する検査をいう。(5) 咬合圧測定とは、歯科用咬合力計を用いて、咬合力及び咬合圧分布等を測定する検査をいう。(6) 新製有床義歯等の装着前及び装着後のそれぞれにおいて当該検査を実施する場合は、装着前に「1 有床義歯咀嚼機能検査1」を算定した場合は装着後も「1 有床義歯咀嚼機能検査1」を、装着前に「2 有床義歯咀嚼機能検査2」を算定した場合は装着後も「2 有床義歯咀嚼機能検査2」を算定する。(7) 新製有床義歯等の装着前の有床義歯咀嚼機能検査を2回以上実施した場合は、1回目の検査を行ったときに限り算定する。(8) 新製有床義歯等の装着後の有床義歯咀嚼機能検査は、新製有床義歯等の装着日の属する月から起算して6月以内を限度として、月1回に限り算定する。なお、新製有床義歯等の装着前に「1のイ 下顎運動測定と咀嚼能力測定を併せて行う場合」又は「2のイ下顎運動測定と咬合力測定を併せて行う場合」を実施した場合は、装着後必要に応じて「1のロ 咀嚼能力測定のみを行う場合」又は「2のロ 咬合圧測定のみを行う場合」を実施した後、「1のイ 下顎運動測定と咀嚼能力測定を併せて行う場合」又は「2のイ 下顎運動測定と咬合力測定を併せて行う場合」によって総合的な咀嚼機能の評価を行うことが望ましい。(9) 有床義歯咀嚼機能検査は、当該患者が次のいずれかに該当する場合に限り算定する。イ 区分番号B013に掲げる新製有床義歯管理料の「2 困難な場合」に準ずる場合ロ 区分番号I017-1-3に掲げる舌接触補助床を装着する場合ハ 区分番号J109に掲げる広範囲顎骨支持型装置埋入手術の(5)に準ずる場合ニ 区分番号M018に掲げる有床義歯又は区分番号M019に掲げる熱可塑性樹脂有床義歯を装着する患者であって、左右第二大臼歯を含む臼歯が4歯以上欠損している場合(第三大臼歯は歯数に含めない。)ホ 区分番号M025に掲げる口蓋補綴、顎補綴を装着する場合(10) 新製有床義歯等の装着時又は有床義歯等の調整時に当該検査を行う場合は、区分番号B013に掲げる新製有床義歯管理料、区分番号B013-3に掲げる広範囲顎骨支持型補綴物管理料又は区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1と同日に算定できる。(11) 区分番号I017-1-3に掲げる舌接触補助床若しくは区分番号M025に掲げる口蓋補綴、顎補綴を装着する場合において、区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「2 舌接触補助床の場合」若しくは「3 その他の場合」を算定している患者又は区分番号J109に掲げる広範囲顎骨支持型装置埋入手術の(5)に準ずる場合において、区分番号B013-3に掲げる広範囲顎骨支持型補綴物管理料を算定している患者について、咀嚼機能検査を行う必要がある場合については、当該患者の装着する装置を新製しない場合においても当該検査を算定できる。(12) 検査に係る費用は所定点数に含まれ別に算定できない。