[留意]通則

第4部 画像診断
通則
1 片側性の顎関節症で健側を対照として撮影する場合は、医科における耳・肘・膝等の対称器官と同様に、診断料、撮影料とも健側の撮影についても患側と同一部位の同時撮影を行った場合と同じ取扱いとする。
2 歯科用エックス線フィルムを使用した歯科エックス線撮影で「通則2」及び「通則3」に該当する場合は二等分法撮影に加え、必要があって埋伏歯に対し偏心投影を行った場合やう蝕歯に対し咬翼法撮影を行った場合等である。
3 全顎撮影の場合とは、歯科用エックス線フィルム10枚から14枚を用いて、全顎にわたり歯、歯槽骨等のエックス線撮影を行うものをいい、診断料及び撮影料は撮影枚数にかかわらず所定点数により算定する。この場合において、使用したフィルムは撮影枚数に応じ14枚を限度とする。なお、デジタル撮影の場合であっても全顎撮影は10回から14回行うものとし、撮影回数にかかわらず所定点数により算定するが、フィルム料は別に算定できない。
4 全顎撮影に複数日を要した場合であっても、一連の全顎撮影として3と同様の方法により算定する。
5 デジタル撮影とは、CCDセンサー、cMOSセンサー又はイメージングプレート等を用いたデジタルラジオグラフによるものをいう。
6 歯科用3次元エックス線断層撮影とは、部位限定エックス線CT診断装置又はアーム型エックス線CT診断装置を用いて局所的な撮影を行い、歯科疾患を3次元的に確認する撮影をいう。
7 「通則4」に規定する時間外緊急院内画像診断加算
(1) 保険医療機関において、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜に入院中の患者以外の患者に対して診療を行った際、歯科医師が緊急に画像診断を行う必要性を認め、当該保険医療機関において、当該保険医療機関に具備されている画像診断機器を用いて当該画像撮影及び診断を実施した場合に限り算定する。
(2) 画像診断の開始時間が診療時間以外の時間、休日又は深夜に該当する場合に当該加算を算定する。なお、時間外等の定義は、区分番号A000に掲げる初診料の時間外加算等における定義と同様である。
(3) 同一患者に同日に2回以上、時間外、休日又は深夜の診療を行い、その都度緊急の画像診断を行った場合(複数の区分にまたがる場合を含む。)においても1回に限り算定する。
(4) 入院中の患者に当該加算は算定できない。ただし、時間外、休日又は深夜に外来を受診した患者に対し、画像診断の結果入院の必要性を認めて、引き続き入院となった場合はこの限りではない。
(5) 時間外緊急院内画像診断加算は他の保険医療機関で撮影されたフィルム等を診断した場合は算定できない。
(6) 緊急に画像診断を要する場合とは、直ちに何らかの処置・手術等が必要な患者であって、通常の診察のみでは的確な診断が下せず、なおかつ通常の画像診断が整う時間まで画像診断の実施を見合わせることができないような重篤な場合をいう。
8 「通則5」に規定する電子画像管理加算
(1) 「通則5」に規定する画像を電子化して管理及び保存した場合とは、デジタル撮影した画像を電子媒体に保存して管理した場合をいい、フィルムへのプリントアウトを行った場合にも当該加算を算定するが、本加算を算定した場合は当該フィルムは算定できない。なお、フィルムを用いた通常のエックス線撮影を行い、当該フィルムをエックス線フィルムスキャナー等で電子媒体に保存して管理した場合は、電子画像管理加算は算定できない。
(2) 電子画像管理加算は、同一の部位につき、同時に2種類以上の撮影方法を使用した場合は一連の撮影とみなし、主たる撮影の所定点数のみ算定する。
(3) 電子画像管理加算は、他の保険医療機関で撮影したフィルム等についての診断のみを行った場合は算定できない。
9 歯科画像診断管理加算1は、病院である保険医療機関に勤務し専ら画像診断を担当する歯科医師が、歯科パノラマ断層撮影等の読影及び診断を行い、その結果を文書により当該病院の主治の歯科医師に提供した場合に月の最初の診断日に算定する。この場合において、提供された文書又はその写しを診療録に添付する。歯科画像診断管理加算2は、コンピューター断層撮影(CT撮影)、磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)又は歯科用3次元エックス線断層撮影について、病院である保険医療機関に勤務し専ら画像診断を担当する歯科医師が読影及び診断を行い、その結果を文書により当該病院の主治の歯科医師に提供した場合に月の最初の診断日に算定する。なお、夜間又は休日に撮影された画像については、当該専ら画像診断を担当する歯科医師が、自宅等の当該保険医療機関以外の場所で、画像の読影及び送受信を行うにつき十分な装置・機器を用いた上で読影及び診断を行い、その結果を文書により当該患者の診療を担当する歯科医師に報告した場合も算定できる。その際には、患者の個人情報を含む医療情報の送受信に当たり、安全管理を確実に行った上で実施すること。また、当該保険医療機関以外の施設に読影又は診断を委託した場合は、これらの加算は算定できない(「通則8」又は「通則9」により算定する場合を除く。)。この場合において、提供された文書又はその写しを診療録に添付する。
10 歯科画像診断管理加算を算定した月にあっては、医科点数表の第2章第4部通則に規定する画像診断管理加算は算定できない。
11 遠隔画像診断を行った場合は、送信側の保険医療機関において撮影料、診断料及び歯科画像診断管理加算1又は歯科画像診断管理加算2(当該加算の算定要件を満たす場合に限る。)を算定する。受信側の保険医療機関における診断等に係る費用は受信側、送信側の保険医療機関間における相互の合議に委ねる。
12 遠隔画像診断を行った場合、歯科画像診断管理加算1は、受信側の病院である保険医療機関に勤務し専ら画像診断を担当する歯科医師が読影及び診断を行い、その結果を文書により送信側の保険医療機関において当該患者の診療を担当する歯科医師に提供した場合に、月の最初の診断日に算定する。遠隔画像診断を行った場合、歯科画像診断管理加算2は、送信側の保険医療機関において実施されるコンピューター断層撮影(CT撮影)、磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)又は歯科用3次元エックス線断層撮影について、受信側の病院である保険医療機関に勤務し専ら画像診断を担当する歯科医師が読影及び診断を行い、その結果を文書により送信側の保険医療機関において当該患者の診療を担当する歯科医師に提供した場合に、月の最初の診断日に算定する。なお、夜間又は休日に撮影された画像については、受信側の保険医療機関において専ら画像診断を担当する歯科医師が、自宅等の当該保険医療機関以外の場所で、画像の読影及び送受信を行うにつき十分な装置・機器を用いた上で読影及び診断を行い、その結果を文書により当該患者の診療を担当する歯科医師に報告した場合も算定できる。その際には、患者の個人情報を含む医療情報の送受信に当たり、安全管理を確実に行った上で実施すること。また、受信側又は送信側の保険医療機関が受信側及び送信側の保険医療機関以外の施設に読影又は診断を委託した場合は、当該加算は算定できない。また、これらの加算を算定する場合は、提供された文書又はその写しを診療録に添付する。
13 画像診断のために使用した造影剤は、区分番号E301に掲げる造影剤により算定する。
14 エックス線写真撮影の際に失敗等により、再撮影をした場合は再撮影に要した費用は算定できない。再撮影に要した費用は、その理由が患者の故意又は重大な過失による場合を除き、当該保険医療機関の負担とする。