B013 新製有床義歯管理料(1) 新製有床義歯管理とは、新製有床義歯の生体との調和を主眼とした義歯の管理をいい、具体的には、当該有床義歯の形態、適合性、咬合関係等の調整及び患者に必要な義歯の取扱い等に係る指導をいう。(2) 新製有床義歯管理料は、当該有床義歯を製作した保険医療機関において、新製した有床義歯の適合性等について検査を行い、併せて患者に対して、新製した有床義歯の取扱い等について必要な指導を行い、患者に対して当該有床義歯の管理に係る情報を文書により提供した場合に算定する。この場合において、当該文書の写しを診療録に添付し、当該文書の内容以外に療養上必要な管理事項がある場合は、診療録にその要点を記載する。(3) 「2 困難な場合」とは、特に咬合の回復が困難な患者に対する義歯管理を評価したものをいい、総義歯又は9歯以上の局部義歯を装着した場合をいう。(4) 「注1」に規定する文書とは、欠損の状態、指導内容等の要点、保険医療機関名及び担当歯科医師の氏名を記載したものをいう。(5) 新製有床義歯管理料を算定した患者について、当該有床義歯の装着日の属する月から起算して1年以内の期間において、当該有床義歯の装着部位とは異なる部位に別の有床義歯の新製又は有床義歯の裏装を行った場合は、区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」を算定し、新製有床義歯管理料は算定できない。(6) 有床義歯の新製が予定されている月に旧義歯の修理を行い、区分番号M029に掲げる有床義歯修理を算定した場合は、「注2」の規定に関わらず、区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」を算定し、新製した有床義歯の装着時に新製有床義歯管理料を算定して差し支えない。(7) 有床義歯の新製が予定されている月に、やむを得ず旧義歯の調整が必要となり有床義歯の調整を行った場合は区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」を算定し、新製した有床義歯の装着時は「注2」の規定に関わらず、新製有床義歯管理料を算定する。(8) 有床義歯を新製した月と同月に、当該有床義歯とは別の欠損部位の有床義歯の修理又は床裏装を行った場合は、区分番号M029に掲げる有床義歯修理又は区分番号M030に掲げる有床義歯内面適合法(有床義歯床裏装)は別に算定する。この場合において、新製有床義歯管理料又は区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」のいずれかにより算定する。(9) 区分番号I022に掲げる有床義歯床下粘膜調整処置を行い、有床義歯の新製又は床裏装を予定している場合は、同月内であっても当該処置に併せて区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」を算定して差し支えない。この場合において、区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」を算定したときは、同月内に新製有床義歯管理料は算定できない。(10) 新製有床義歯管理料を算定した患者について、当該管理料を算定した日の属する月から起算して1年を超えた期間において調整又は指導を行った場合は、区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」を算定する。この場合において、必要があって新たに製作した有床義歯を装着し調整又は指導を行った場合は、新製有床義歯管理料を算定する。(11) 別の保険医療機関で製作した有床義歯の管理は、装着する日の属する月であっても区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1の「1 有床義歯の場合」により算定する。(12) 再診が電話等により行われた場合は、新製有床義歯管理料は算定できない。(13) 有床義歯に係る管理を行うに当たっては、「有床義歯の管理について」(平成19年11月日本歯科医学会)を参考とする。