[留意]区分00 調剤基本料

区分00 調剤基本料
1 受付回数等
(1) 調剤基本料は、患者等が提出する処方箋の枚数に関係なく処方箋受付1回につき算定する。なお、分割調剤を行う場合は、7により算定し、リフィル処方箋による調剤を行う場合は、8により算定する。
(2) 同一患者から同一日に複数の処方箋(リフィル処方箋を含む。)を受け付けた場合、同一保険医療機関の同一医師によって交付された処方箋又は同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方箋については一括して受付1回と数える。ただし、同一の保険医療機関から交付された場合であっても、歯科の処方箋については歯科以外の処方箋と歯科の処方箋を別受付として算定できる。
(3) 複数の保険医療機関が交付した同一患者の処方箋を同時にまとめて受け付けた場合においては、受付回数はそれぞれ数え2回以上とする。また、この場合において、当該受付のうち、1回目は調剤基本料の所定点数を算定し、2回目以降は「注3」により調剤基本料の所定点数を100分の80にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。なお、当該注3の規定は、注9から注11までの分割調剤に係る処方箋には適用しない。
2 調剤基本料の注4に規定する保険薬局
(1) 以下のいずれかに該当する保険薬局である場合、調剤基本料を100分の50に減算する。なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(令和4年3月4日保医発0304第3号)を参照すること。
ア 医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。
イ 医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況を地方厚生(支)局長に報告していない保険薬局
ウ 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的業務を1年間実施していない保険薬局
(2) 当該調剤基本料の減算については、調剤基本料の所定点数を100分の50にし、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。
3 地域支援体制加算
地域支援体制加算は、かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域医療に貢献する薬局の体制等を評価するものであり、調剤基本料の区分によらない共通の施設要件(一定の開局時間、在宅体制整備等)及び調剤基本料の区分により一定の差がある実績等を満たした上で必要な届出を行った場合に算定できる。ただし、特別調剤基本料を算定している保険薬局においては、地域支援体制加算の所定点数を100分の80にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。
4 連携強化加算
連携強化加算は、地域支援体制加算を算定している場合であって、他の保険薬局、保険医療機関及び都道府県等との連携により、災害又は新興感染症の発生時等の非常時に必要な体制が整備されている保険薬局において、調剤を行った場合に算定できる。なお、災害又は新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保している保険薬局をホームページ等で広く周知すること。
5 後発医薬品調剤体制加算
特別調剤基本料を算定している保険薬局においては、後発医薬品調剤体制加算の所定点数を100分の80にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。
6 調剤基本料の注8に規定する保険薬局
(1) 後発医薬品の調剤数量割合が5割以下の保険薬局(処方箋受付回数が1月に600回以下の場合を除く。)である場合は、調剤基本料を5点減算する。なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」を参照すること。
(2) 処方箋受付回数が1月に600回以下に該当するか否かの取扱いについては、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う。
7 分割調剤
(1) 通則
ア 「注9」又は「注10」に係る分割調剤を行う場合は、調剤基本料は初回のみ算定し、2回目以降については「注9」又は「注10」のとおり算定するが、異なる保険薬局で分割調剤を行う場合は、各保険薬局においてそれぞれ調剤基本料を算定できる。
イ 「注9」、「注10」又は「注11」に係る分割調剤のうち、複数の分割調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、「注11」の分割調剤に係る点数により算定する。
(2) 長期保存の困難性等の理由による分割調剤
ア 「注9」の分割調剤については、長期投薬(14日分を超える投薬をいう。以下同じ。)に係る処方箋によって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要があり、分割調剤を行った場合で、1処方箋の2回目以降の調剤を同一の保険薬局において2回目以降行った場合に算定する。
イ 「注9」に係る分割調剤を行う場合は、処方箋の受付時に、当該処方箋を発行した医療機関等に対し照会を行うとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。
(3) 後発医薬品の試用のための分割調剤
ア 「注10」の分割調剤については、後発医薬品への変更が可能な処方箋を提出した患者の同意に基づき、処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により分割調剤を行った場合で、同一の保険薬局において1処方箋の2回目の調剤を行った場合に限り算定する。この場合において、2回目の調剤を行う際には、先発医薬品から後発医薬品への変更による患者の体調の変化、副作用が疑われる症状の有無等を確認するとともに、患者の意向を踏まえ、後発医薬品又は変更前の先発医薬品の調剤を行うこととする。なお、その際に、所定の要件を満たせば、調剤管理料、服薬管理指導料及び外来服薬支援料2を算定できる。
イ 「注10」に係る分割調剤を行った場合は、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。また、2回目の調剤の際に、患者の意向により変更前の先発医薬品の調剤を行った場合も、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、先発医薬品に再変更した理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。
ウ 1処方箋について、「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤の2回目以降の調剤と「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤の2回目の調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、いずれか一方の分割調剤に係る点数のみを算定する。
(4) 医師の指示による分割調剤
ア 「注11」については、医師の分割指示に係る処方箋(「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤及び「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に該当する場合を除く。)により、患者の同意の下、分割調剤を行った場合に算定する。
イ 調剤基本料及びその加算、薬剤調製料及びその加算並びに薬学管理料については、当該分割調剤を行う保険薬局が当該処方箋において分割調剤を実施しない場合に算定する点数をそれぞれ合算し、分割回数で除した点数を当該調剤時に算定する。当該点数は、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。ただし、服薬情報等提供料については、分割回数で除していない点数を算定できる。
ウ 「注11」の医師の指示による分割調剤の場合、保険薬局の保険薬剤師は、以下を実施する。
(イ) 分割指示に係る処方箋の交付を受けた患者に対して、処方箋受付前に、継続的な薬学的管理及び指導のため、当該処方箋の1回目の調剤から全ての調剤が完了するまで、同一の保険薬局に処方箋を持参するべきである旨を説明する。
(ロ) 患者に対し、次回の自局への処方箋持参の意向の有無及び予定時期を確認するとともに、予定時期に患者が来局しない場合は、必要に応じ、電話等で服薬状況を確認し来局を促す。
(ハ) また、患者から次回は別の保険薬局に処方箋を持参する旨の申し出があった場合は、患者の了解を得た上で、次回の円滑な薬剤交付に資するよう、調剤後遅滞なく、患者が次回処方箋を持参しようとする保険薬局に対し、調剤の状況とともに必要な情報をあらかじめ提供する。
(ニ) 2回目以降の調剤において患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、その結果を処方医に情報提供する。この場合において、次に掲げる事項を含めるものとする。
・残薬の有無
・残薬が生じている場合はその量及び理由
・患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
・副作用が疑われる場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
8 リフィル処方箋による調剤
(1) 通則
ア リフィル処方箋による調剤を行う場合は、所定の要件を満たせば、調剤技術料及び薬学管理料を算定できる。なお、リフィル処方箋による調剤を行うごとに、処方箋受付回数1回として取扱う。
イ 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)において、投与量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による調剤を行うことはできない。
(2) リフィル処方箋による調剤
ア 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋による1回目又は2回目(総使用回数3回の場合)の調剤を行う場合、リフィル処方箋に調剤日及び次回調剤予定日を所定の欄に記載するとともに、調剤を実施した保険薬局の名称及び保険薬剤師の氏名を余白又は裏面に記載の上、調剤録等を作成した後、リフィル処方箋を患者に返却すること。その際、必要な事項が記入されたリフィル処方箋の写しを調剤録とともに保管すること。また、当該リフィル処方箋の総使用回数の調剤が終わった場合、調剤済処方箋として保管すること。
イ 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋により調剤を行うに当たって、患者の服薬状況等の確認を行い、リフィル処方箋により調剤を行うことが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診勧奨を行うとともに、処方医に情報提供を行うこと。また、リフィル処方箋により調剤した場合は、調剤した内容、患者の服薬状況等について必要に応じ処方医へ情報提供を行うこと。
ウ 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋の交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。
エ 保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。次回の来局の希望があるにもかかわらず予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により患者の状況を確認すること。
オ 保険薬局の保険薬剤師は、患者が次回の調剤を他の保険薬局において受けることを申し出た場合は、調剤の状況とともに必要な情報を当該他の保険薬局に提供する又は当該情報を記録したものを患者に提供すること。
9 次に掲げる調剤基本料に規定する加算及び減算について、これらのうち複数に該当する場合は、最初に所定点数に「注3」(100分の80)及び「注4」(100分の50)のうち該当するものを乗じ、小数点以下第一位を四捨五入する。次に「注5」(地域支援体制加算)、「注6」(連携強化加算)、「注7」(後発医薬品調剤体制加算)及び「注8」(後発医薬品減算)のうち該当するもの(特別調剤基本料を算定する保険薬局においては、「注5」及び「注7」の所定点数に100分の80を乗じ、それぞれ小数点以下第一位を四捨五入する。)の加算等を行う。ただし、当該点数が3点未満になる場合は、3点を算定する。