J041-2 血球成分除去療法
(1) 血球成分除去療法(吸着式及び遠心分離式を含む。)は、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ(吸着式に限る。)、クローン病、膿疱性乾癬又は関節症性乾癬患者に対して次のアからカオまでのとおり実施した場合に算定できる。
ア 潰瘍性大腸炎の重症・劇症患者及び難治性患者(厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班の診断基準)に対しては、活動期の病態の改善及び緩解導入を目的として行った場合に限り算定できる。
なお、当該療法の実施回数は、一連につき10回を限度として算定する。ただし、劇症患者については、11回を限度として算定できる。
イ 薬物療法に抵抗する関節リウマチ患者に対しては、臨床症状改善を目的として行った場合に限り、一連の治療につき1クールを限度として行い、1クールにつき週1回を限度として、5週間に限って算定できる。なお、当該療法の対象となる関節リウマチ患者は、活動性が高く薬物療法に抵抗する関節リウマチ患者又は発熱などの全身症状と多関節の激しい滑膜炎を呈し薬物療法に抵抗する急速進行型関節リウマチ患者であって、以下の2項目を満たすものである。
(イ) 腫脹関節数6カ所以上
(ロ) ESR50mm/h以上又はCRP3mg/dL以上
ウ 栄養療法及び既存の薬物療法が無効又は適用できない、大腸の病変に起因する明らかな臨床症状が残る中等症から重症の活動期クローン病患者に対しては、緩解導入を目的として行った場合に限り算定できる。
なお、当該療法の実施回数は、一連の治療につき10回を限度として算定する。
エ 薬物療法が無効又は適用できない、中等症以上の膿疱性乾癬患者(厚生労働省難治性疾患克服研究事業稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班の診断基準)に対しては、臨床症状の改善を目的として行った場合に限り、一連の治療につき1クールを限度として行い、1クールにつき週1回を限度として、5週間に限って算定できる。
オ 関連学会のガイドラインに準拠した既存の薬物療法が無効又は適用できない関節症性乾癬患者に対しては、臨床症状の改善を目的として行った場合に限り、一連の治療につき2クールを限度として算定する。なお、当該療法の実施回数は、1クールにつき週1回を限度として、5週間に限って算定する。ただし、1クール終了時に治療に対する効果を判定し、無効と判断されれば中止すること。
カ 寛解期の潰瘍性大腸炎で既存の薬物治療が無効、効果不十分又は適用できない難治性患者(厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班の診断基準)に対しては、寛解維持を目的として行った場合に限り、原則として一連につき2週間に1回を限度として48週間に限って算定する。なお、医学的な必要性から一連につき2週間に2回以上算定する場合又は48週間を超えて算定する場合には、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
また、初回実施に当たっては、医学的な必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(2) 本療法を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に一連の当該療法の初回実施日及び初回からの通算実施回数(当該月に実施されたものも含む。)を記載すること。
(3) 血球成分除去療法を夜間に開始した場合とは、午後6時以降に開始した場合をいい、終了した時間が午前0時以降であっても、1日として算定する。ただし、夜間に血球成分除去療法を開始し、12時間以上継続して行った場合は、2日として算定する。