第14 緩和ケア診療加算1 緩和ケア診療加算に関する施設基準(1) 当該保険医療機関内に、以下の4名から構成される緩和ケアに係るチーム(以下「緩和ケアチーム」という。)が設置されていること。ア 身体症状の緩和を担当する専任の常勤医師イ 精神症状の緩和を担当する専任の常勤医師ウ 緩和ケアの経験を有する専任の常勤看護師エ 緩和ケアの経験を有する専任の薬剤師なお、アからエまでのうちいずれか1人は専従であること。ただし、緩和ケアチームが診察する患者数が1日に15人以内である場合は、いずれも専任で差し支えない。また、緩和ケア診療加算の注2に規定する点数を算定する場合には、以下の4名から構成される緩和ケアチームにより、緩和ケアに係る専門的な診療が行われていること。オ 身体症状の緩和を担当する常勤医師カ 精神症状の緩和を担当する医師キ 緩和ケアの経験を有する看護師ク 緩和ケアの経験を有する薬剤師(2) 緩和ケアチームの構成員は、外来緩和ケア管理料に係る緩和ケアチームの構成員と兼任であって差し支えない。また、緩和ケアの特性に鑑みて、専従の医師にあっても、緩和ケア診療加算を算定すべき診療及び外来緩和ケア管理料を算定すべき診療に影響のない範囲において、専門的な緩和ケアに関する外来診療を行って差し支えない(ただし、専門的な緩和ケアに関する外来診療に携わる時間は、所定労働時間の2分の1以下であること。)。(3) (1)のア又はオに掲げる医師は、悪性腫瘍の患者又は後天性免疫不全症候群の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であること。なお、末期心不全の患者を対象とする場合には、末期心不全の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であっても差し支えない。また、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(悪性腫瘍患者又は後天性免疫不全症候群の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する医師に限る(末期心不全の患者を対象とする場合には、末期心不全の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であっても差し支えない。)。)を2名組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該2名の非常勤医師が緩和ケアチームの業務に従事する場合に限り、当該基準を満たしていることとみなすことができる。(4) (1)のイ又はカに掲げる医師は、3年以上がん専門病院又は一般病院での精神医療に従事した経験を有する者であること。なお、イに掲げる常勤医師については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(3年以上がん専門病院又は一般病院での精神医療に従事した経験を有する医師に限る。)を2名組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該2名の非常勤医師が緩和ケアチームの業務に従事する場合に限り、当該基準を満たしていることとみなすことができる。(5) (1)のア、イ、オ及びカに掲げる医師のうち、悪性腫瘍の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、以下のア又はイのいずれかの研修を修了している者であること。また、末期心不全症候群の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、アからウまでのいずれかの研修を修了している者であること。なお、後天性免疫不全症候群の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には下記研修を修了していなくてもよい。ア がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会イ 緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会(国立研究開発法人国立がん研究センター主催)等ウ 日本心不全学会により開催される基本的心不全緩和ケアトレーニングコース(6) (1)のウ又はキに掲げる看護師は、5年以上悪性腫瘍患者の看護に従事した経験を有し、緩和ケア病棟等における研修を修了している者であること。なお、ここでいう緩和ケア病棟等における研修とは、次の事項に該当する研修のことをいう。ア 国又は医療関係団体等が主催する研修であること(600時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの)。イ 緩和ケアのための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。ウ 講義及び演習により、次の内容を含むものであること。(イ) ホスピスケア・疼痛緩和ケア総論及び制度等の概要(ロ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群のプロセスとその治療(ハ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群患者の心理過程(ニ) 緩和ケアのためのアセスメント並びに症状緩和のための支援方法(ホ) セルフケアへの支援及び家族支援の方法(ヘ) ホスピス及び疼痛緩和のための組織的取組とチームアプローチ(ト) ホスピスケア・緩和ケアにおけるリーダーシップとストレスマネジメント(チ) コンサルテーション方法(リ) ケアの質を保つためのデータ収集・分析等についてエ 実習により、事例に基づくアセスメントとホスピスケア・緩和ケアの実践(7) (1)のエ又はクに掲げる薬剤師は、麻薬の投薬が行われている悪性腫瘍患者に対する薬学的管理及び指導などの緩和ケアの経験を有する者であること。(8) (1)のア、イ、オ及びカに掲げる医師については、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師と兼任ではないこと。ただし、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師が複数名である場合は、緩和ケアチームに係る業務に関し専任である医師については、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師と兼任であっても差し支えないものとする。(9) 症状緩和に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、緩和ケアチームの構成員及び必要に応じて、当該患者の診療を担う医師、看護師、薬剤師などが参加していること。(10) 当該医療機関において緩和ケアチームが組織上明確に位置づけられていること。(11) 院内の見やすい場所に緩和ケアチームによる診療が受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供がなされていること。(12) 緩和ケア診療加算の注4に規定する点数を算定する場合には、緩和ケアチームに、緩和ケア病棟において緩和ケアを要する患者に対する患者の栄養食事管理に従事した経験又は緩和ケア診療を行う医療機関において栄養食事管理に係る3年以上の経験を有する専任の管理栄養士が参加していること。(13) がん診療の拠点となる病院とは、「がん診療連携拠点病院等の整備について」(平成30年7月31日健発0731第1号厚生労働省健康局長通知)に規定するがん診療連携拠点病院等(がん診療連携拠点病院(都道府県がん診療連携拠点病院及び地域がん診療連携拠点病院)、特定領域がん診療連携拠点病院及び地域がん診療病院又は「小児がん拠点病院の整備について」(平成30年7月31日健発0731第2号厚生労働省健康局長通知)に規定する小児がん拠点病院)をいう。特定領域がん診療連携拠点病院については、当該特定領域の悪性腫瘍の患者についてのみ、がん診療連携拠点病院に準じたものとして取り扱う。また、がん診療の拠点となる病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院に準じる病院とは、都道府県が当該地域においてがん診療の中核的な役割を担うと認めた病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構が定める機能評価(緩和ケア病院)と同等の基準について、第三者の評価を受けている病院をいう。2 届出に関する事項緩和ケア診療加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式27を用いること。