[留意]1 エックス線診断に係る一般的事項

1 エックス線診断に係る一般的事項(1) エックス線写真撮影の際に失敗等により、再撮影をした場合については再撮影に要した費用は算定できない。再撮影に要した費用は、その理由が患者の故意又は重大な過失による場合を除き、当該保険医療機関の負担とする。(2) 「2」又は「3」の「同一の部位」とは、部位的な一致に加え、腎と尿管、胸椎下部と腰椎上部のように通常同一フィルム面に撮影し得る範囲をいう。ただし、食道・胃・十二指腸、血管系(血管及び心臓)、リンパ管系及び脳脊髄腔については、それぞれ全体を「同一の部位」として取り扱うものである。(3) 「2」又は「3」の「同時に」とは、診断するため予定される一連の経過の間に行われたものをいう。例えば、消化管の造影剤使用写真診断(食道・胃・十二指腸等)において、造影剤を嚥下させて写真撮影し、その後2~3時間経過して再びレリーフ像を撮影した場合は、その診断料は100分の50とする。ただし、胸部単純写真を撮影して診断した結果、断層像の撮影の必要性を認めて、当該断層像の撮影を行った場合等、第1の写真診断を行った後に別種の第2の撮影、診断の必要性を認めて第2の撮影診断を行った場合は、「同時に」には該当せず、第2の診断についても100分の50とはしない。(4) 「2」の「2以上のエックス線撮影」とは、単純撮影、特殊撮影、造影剤使用撮影又は乳房撮影のうち2種以上の撮影を行った場合をいう。この場合、デジタル撮影及びアナログ撮影については区別せず、1種の撮影として扱う。(5) 「3」の「同一の方法」による撮影とは、単純撮影、特殊撮影、造影剤使用撮影又は乳房撮影のそれぞれの撮影方法をいい、デジタル撮影及びアナログ撮影については「同一の方法」として扱う。(6) 特殊撮影、乳房撮影、心臓及び冠動脈の造影剤使用撮影の診断料及び撮影料は、フィルム枚数にかかわらず、一連のものについて1回として算定する。ただし、別個に撮影した両側の肺野の断層写真等、撮影部位の異なる場合(乳房撮影を除く。)は、部位ごとに1回とする。(7) 次の場合は、「同一の方法」の繰り返しと考えられるので、「3」の算定方法が適用される。ただし、ウについては、いずれか一方の写真診断の結果、他法による撮影の必要性を認め、診断を行った場合は「同時に」には該当しないので、胸部単純撮影及び胸椎撮影のそれぞれについて「3」の適用となるか否かを判断すること。なお、仮にそれぞれについて同時に2枚以上のフィルムが使用されれば「3」の適用となること。ア 脊椎の単純撮影において、頸椎及び胸椎上部を正面・側面等曝射の角度を変えて数回にわたって撮影した場合イ 胸部単純撮影と肺尖撮影を併施した場合ウ 胸部単純撮影と胸椎撮影を併施した場合エ 消化管造影において、食道・胃・十二指腸を背腹・腹背等体位を変換させて数回にわたって撮影した場合オ 耳鼻科領域におけるシュラー法、ステンバー法及びマイヤー法のうち、2方法以上の撮影を併せて実施した場合(8) 耳・肘・膝等の対称器官又は対称部位の健側を患側の対照として撮影する場合における撮影料、診断料については、同一部位の同時撮影を行った場合と同じ取扱いとする。(9) 2枚目以降100分の50で算定する場合及び間接撮影を行った場合に端数が生じる場合の端数処理は、点数計算の最後に行うものとする。例 2枚の頭部単純デジタルエックス線撮影を行った場合[診断料] 85点+85点×0.5=127.5点→(四捨五入)→128点[撮影料] 68点+68点×0.5=102点3枚の頭部単純デジタルエックス線撮影を行った場合[診断料] 85点+85点×0.5×2=170点[撮影料] 68点+68点×0.5×2=136点2枚の胸部アナログエックス線間接撮影を行った場合[診断料] 85点×0.5+85点×0.5×0.5=63.75点→(四捨五入)→64点[撮影料] 60点×0.5+60点×0.5×0.5=45点(10) デジタル撮影デジタル撮影とは、エックス線撮影後、画像情報のデジタル処理を行うことが可能なものをいい、デジタル・サブトラクション・アンギオグラフィー法、コンピューテッド・ラジオグラフィー法又はデジタル透視撮影法による。なお、デジタル透視撮影法とは、超細密イメージング・インテンシファイアー及び超細密ビデオカメラを用いてデジタル映像化処理を行うものをいう。

モバイルバージョンを終了