B014 退院時薬剤情報管理指導料(1) 退院時薬剤情報管理指導料は、医薬品の副作用や相互作用、重複投薬を防止するため、患者の入院時に、必要に応じ保険薬局に照会するなどして薬剤服用歴や患者が持参した医薬品等(医薬部外品及びいわゆる健康食品等を含む。)を確認するとともに、入院中に使用した主な薬剤の名称等について、患者の薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳(区分番号「B011-3」薬剤情報提供料の(2)に掲げる手帳をいう。以下同じ。)に記載した上で、患者の退院に際して当該患者又はその家族等に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行った場合に、退院の日に1回に限り算定する。なお、ここでいう退院とは、第1章第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院における退院のことをいい、入院期間が通算される再入院に係る退院日には算定できない。(2) 入院時に、医薬品の服用状況及び薬剤服用歴を手帳等により確認するとともに、患者が、医薬品等を持参している場合には、当該医薬品等について実際に確認し、その名称等及び確認した結果の要点を診療録等に記載する。(3) 入院中に使用した薬剤のうち、どの薬剤について手帳に記載するかは、患者の病態や使用する薬剤の種類によるが、少なくとも、退院直前(概ね退院前1週間以内)に使用した薬剤及び入院中に副作用が発現した薬剤については記載する。副作用が発現した薬剤については、投与量、当該副作用の概要、投与継続の有無を含む講じた措置、転帰等について記載する。(4) 患者の退院に際して、当該患者又はその家族等に、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導(保険医療機関を受診する際や保険薬局に処方箋を提出する際に、手帳を提示する旨の指導を含む。)を行うとともに、退院後の療養を担う保険医療機関での投薬又は保険薬局での調剤に必要な服薬の状況及び投薬上の工夫に関する情報について、手帳に記載すること。なお、指導の要点についても、分かりやすく手帳に記載し、必要に応じて退院時の処方に係る薬剤の情報を文書で提供すること。なお、退院後、在宅療養を必要とする患者であって、手帳にかかりつけ薬剤師の氏名が記載されている場合は、退院後の薬学的管理及び指導に関しかかりつけ薬剤師への相談を促すよう努めること。また、入院時に当該患者が持参した医薬品の服用状況等について保険薬局から提供を受けた場合には、患者の退院に際して、患者の同意を得たうえで、当該保険薬局に対して当該患者の入院中の使用薬剤や服薬の状況等について情報提供すること。(5) 手帳を所有している患者については、原則として、退院時までに家族等に持参してもらうこととするが、持参できない場合には、必要な情報が記載された簡潔な文書(シール等)を交付し、所有している手帳に添付するよう、患者に対して指導を行った場合又は新たに手帳を発行した場合でも算定できる。(6) 退院時薬剤情報管理指導料を算定した場合は、薬剤情報を提供した旨及び提供した情報並びに指導した内容の要点を診療録等に記載する。なお、区分番号「B008」薬剤管理指導料を算定している患者の場合にあっては、薬剤管理指導記録に記載することで差し支えない。(7) 「注2」に規定する退院時薬剤情報連携加算は、地域における継続的な薬学的管理指導を支援するため、保険医療機関から保険薬局に対して、患者の入院前の処方薬の変更又は中止に関する情報や変更又は中止後の患者の状態等に関する情報を提供することを評価するものである。(8) 「注2」に規定する退院時薬剤情報連携加算は、退院時薬剤情報管理指導料の算定対象となる患者であって、入院前の処方の内容に変更又は中止の見直しがあったものに対して、患者又はその家族等の同意を得て、退院時に見直しの理由や見直し後の患者の状態等を、患者又はその家族等の選択する保険薬局に対して、文書で情報提供を行った場合に、退院の日に1回に限り算定する。なお、患者1人につき複数の保険薬局に対し情報提供を行った場合においても、1回のみの算定とする。(9) 保険薬局への情報提供に当たっては、「薬剤管理サマリー」(日本病院薬剤師会)等の様式を参照して情報提供文書を作成し、当該文書を患者若しくはその家族等又は保険薬局に交付する。この場合において交付した文書の写しを診療録等に添付する。(10) 死亡退院の場合は算定できない。