[通知]第3 診療所の入院基本料等に関する施設基準

第3 診療所の入院基本料等に関する施設基準診療所である保険医療機関の入院基本料等に関する基準は、「基本診療料の施設基準等」並びに第2の4の(1)のア及びイ、(2)のア及びオ、キの(イ)及び(ロ)、ク並びに(6)のア及びイの他、下記のとおりとする。1 看護関連記録が整備され、勤務の実態が明確であること。なお、看護関連記録の様式、名称等は、各診療所が適当とする方法で差し支えない。2 看護職員の数は、入院患者の看護と外来、手術等の看護が一体として実施されている実態を踏まえ、当該診療所に勤務しその業務に従事する看護師又は准看護師の数とする。3 個々の患者の病状にあった適切な看護が実施されていること。また、効果的な医療が提供できるよう、看護計画が策定されていること。4 当該保険医療機関においてパートタイム労働者として継続して勤務する看護要員の人員換算の方法は、パートタイム労働者の1か月間の実労働時間 常勤職員の所定労働時間 による。ただし、計算に当たって1人のパートタイム労働者の実労働時間が常勤職員の所定労働時間を超えた場合は、所定労働時間以上の勤務時間は算入せず、「1人」として算出する。なお、常勤職員の週当たりの所定労働時間が32時間未満の場合は、32時間を所定労働時間として計算する。5 有床診療所入院基本料の施設基準(1) 有床診療所入院基本料1の施設基準ア 当該診療所(療養病床を除く。)における看護職員の数が、7以上であること。イ 次の施設基準のうち、(イ)に該当すること又は(ロ)から(ル)までのうち2つ以上に該当すること。(イ) 過去1年間に、介護保険によるリハビリテーション(介護保険法第8条第8項に規定する通所リハビリテーション又は同法第8条の2第8項に規定する介護予防通所リハビリテーション)、同法第8条第6項に規定する居宅療養管理指導、同条第10項に規定する短期入所療養介護、同条第23項に規定する複合型サービス、同法第8条の2第6項に規定する介護予防居宅療養管理指導若しくは同条第10項に規定する介護予防短期入所療養介護を提供した実績があること、同法第8条第29項に規定する介護医療院を併設していること、又は同法第46条第1項に規定する指定居宅介護支援事業者若しくは同法第53条第1項に規定する指定介護予防サービス事業者であること。(ロ) 在宅療養支援診療所であって、過去1年間に訪問診療を実施した実績があること。(ハ) 過去1年間の急変時の入院件数が6件以上であること。なお、「急変時の入院」とは、患者の病状の急変等による入院を指し、予定された入院は除く。(ニ) 注6に規定する夜間看護配置加算1又は2の届出を行っていること。(ホ) 区分番号「A001」に掲げる再診料の注10に規定する時間外対応加算1の届出を行っていること。(ヘ) 過去1年間の新規入院患者のうち、他の急性期医療を担う病院の一般病棟からの受入れが1割以上であること。なお、急性期医療を担う病院の一般病棟とは、一般病棟入院基本料、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、13対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)又は15対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)を算定する病棟であること。ただし、地域一般入院基本料、13対1入院基本料又は15対1入院基本料を算定する保険医療機関にあっては区分番号「A205」に掲げる救急医療管理加算の算定を行っている場合に限るものとする。(ト) 過去1年間の当該保険医療機関内における看取りの実績が2件以上であること。(チ) 過去1年間の全身麻酔、脊椎麻酔又は硬膜外麻酔(手術を実施した場合に限る。)の患者数(分娩を除く。)が30件以上であること。(リ) 区分番号「A317」に掲げる特定一般病棟入院料の注1に規定する厚生労働大臣が定める地域に所在する有床診療所であること。(ヌ) 過去1年間の分娩を行った総数(帝王切開を含む。)が30件以上であること。(ル) 過去1年間に、区分番号「A208」に掲げる乳幼児加算・幼児加算、区分番号「A212」に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算又は区分番号「A221-2」に掲げる小児療養環境特別加算を算定した実績があること。(2) 有床診療所入院基本料2の施設基準ア 当該診療所(療養病床を除く。)における看護職員の数が、4以上7未満であること。イ (1)のイを満たしていること。(3) 有床診療所入院基本料3の施設基準ア 当該診療所(療養病床を除く。)における看護職員の数が、1以上4未満であること。イ (1)のイを満たしていること。(4) 有床診療所入院基本料4の施設基準(1)のアを満たしていること。(5) 有床診療所入院基本料5の施設基準(2)のアを満たしていること。(6) 有床診療所入院基本料6の施設基準(3)のアを満たしていること。6 有床診療所入院基本料1、2、4又は5の届出をしている診療所にあっては、看護師を1人以上配置することが望ましいこと。7 夜間(当該診療所が診療応需の態勢を解除している時間帯で概ね午後6時から午前8時までをいう。)における緊急時の体制を整備することとし、看護要員を1人以上配置していること。8 有床診療所急性期患者支援病床初期加算及び有床診療所在宅患者支援病床初期加算の施設基準(1) 有床診療所急性期患者支援病床初期加算の施設基準次のいずれかに該当すること。ア 在宅療養支援診療所であって、過去1年間に訪問診療を実施した実績があること。イ 全身麻酔、脊椎麻酔又は硬膜外麻酔(手術を実施した場合に限る。)の患者数が年間30件以上であること。ウ 救急病院等を定める省令に基づき認定された救急診療所であること。エ 「救急医療対策の整備事業について」に規定された在宅当番医制又は病院群輪番制に参加している有床診療所であること。オ 区分番号B001の「22」に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料を算定していること。カ 注6に規定する夜間看護配置加算1又は2を算定しており、夜間の診療応需態勢を確保していること。(2) 有床診療所在宅患者支援病床初期加算の施設基準ア (1)のアからカまでのいずれかに該当すること。イ 当該保険医療機関において、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、適切な意思決定支援に関する指針を定めていること。なお、令和4年3月31日時点で、現に有床診療所入院基本料の届出を行っている診療所にあっては、令和4年9月30日までの間に限り、当該基準を満たしているものとみなす。9 医師配置加算の施設基準(1) 医師配置加算1については、次のいずれかに該当する診療所であること。ア 在宅療養支援診療所であって、過去1年間に訪問診療を実施した実績があること。イ 全身麻酔、脊椎麻酔又は硬膜外麻酔(手術を実施した場合に限る。)の患者数が年間30件以上であること。ウ 救急病院等を定める省令に基づき認定された救急診療所であること。エ 「救急医療対策の整備事業について」に規定された在宅当番医制又は病院群輪番制に参加している有床診療所であること。オ 区分番号B001の「22」に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料を算定していること。カ 注6に規定する夜間看護配置加算1又は2を算定しており、夜間の診療応需態勢を確保していること。(2) 施設基準に係る当該有床診療所における医師数は、常勤の医師(週4日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週32時間以上である者をいう。)の他、非常勤医師の実労働時間数を常勤換算し算入することができる。10 看護配置に係る加算の施設基準(1) 看護配置加算1については、看護職員の数が、看護師3名を含む10名以上であること。(2) 看護配置加算2については、看護職員の数が10名以上であること。ただし、看護配置加算1に該当する場合を除く。(3) 夜間看護配置加算1については、夜間の看護要員の数が、看護職員1名を含む2名以上であること。なお、2名のうち1名は当直で良いが、看護職員が1名のみである場合には、当該看護職員については当直によることはできないものであること。(4) 夜間看護配置加算2については、夜間の看護職員の数が1名以上であること。ただし、夜間看護配置加算1に該当する場合を除く。なお、当該看護職員については、当直でも良い。(5) 看護配置加算1と看護配置加算2は併算定できないものであること。また、夜間看護配置加算1と夜間看護配置加算2も同様に併算定できないものであること。11 看護補助配置加算の施設基準(1) 看護補助配置加算1については、当該診療所(療養病床を除く。)における看護補助者の数が2名以上であること。(2) 看護補助配置加算2については、当該診療所(療養病床を除く。)における看護補助者の数が1名であること。(3) 看護補助配置加算1と看護補助配置加算2は併算定できないものであること。12 看取り加算の施設基準当該診療所における夜間の看護職員の数が1以上であること。ただし、有床診療所入院基本料と有床診療所療養病床入院基本料のいずれも届け出ている保険医療機関においては、届出を行っているいずれかの病床で夜間の看護職員の数が1以上であること。13 栄養管理実施加算の基準栄養管理を担当する常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。14 療養病床を有する場合は、長期にわたり療養を必要とする患者にふさわしい看護を行うのに必要な器具器械が備え付けられていること。15 有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床の入院患者に対する「基本診療料の施設基準等」の医療区分3の患者及び医療区分2の患者の割合の算出方法等(1) 医療区分3及び医療区分2の患者の割合については、次のアに掲げる数をイに掲げる数で除して算出する。ア 直近3か月における当該有床診療所の療養病床の入院患者ごとの医療区分3の患者及び医療区分2の患者に該当する日数の和イ 直近3か月における当該有床診療所の療養病床の入院患者ごとの入院日数の和(2) 当該病床の入院患者のうち、医療区分3と医療区分2の患者の合計が8割以上に該当することとなった場合は、有床診療所療養病床入院基本料にあっては「基本診療料の施設基準等」の第六の三の(2)のロの「4対1配置保険医療機関」への変更の届出を翌月速やかに行うこと。この場合、同月1日に遡って受理したものとして処理すること。また、当該変更の届出前において、4対1配置保険医療機関の実績を要する必要はないこと。(3) 当該病床の入院患者のうち、医療区分3と医療区分2の患者の合計が8割以上の場合であって、次のいずれかに該当しない場合にあっては、入院基本料Eを算定する病床の届出を翌月速やかに行うものとする。この場合、同月1日に遡って受理したものとして処理すること。ア 当該有床診療所に雇用され、その療養病床に勤務することとされている看護職員の数は、当該療養病床の入院患者の数が4又はその端数を増すごとに1以上であること。イ 当該有床診療所に雇用され、その療養病床に勤務することとされている看護補助者の数は、当該療養病床の入院患者の数が4又はその端数を増すごとに1以上であること。16 「基本診療料の施設基準等」の第六の三の(2)のロに規定する区分別添2の第2の6と同様に取り扱うものであること。17 医療区分2に定める「褥瘡に対する治療を実施している状態」については、入院又は転院時既に褥瘡を有していた患者に限り、治癒又は軽快後も30日間に限り、引き続き医療区分2として取り扱うことができる。ただし、当該取扱いを行う場合においては、入院している患者に係る褥瘡の発生割合について、当該患者又は家族の求めに応じて説明を行うこと。なお、褥瘡の発生割合とは、有床診療所療養病床入院基本料を算定する全入院患者数に占める褥瘡患者数(入院又は転院時既に発生していた褥瘡患者を除く。)の割合である。18 有床診療所急性期患者支援療養病床初期加算及び有床診療所在宅患者支援療養病床初期加算の施設基準在宅療養支援診療所であって、過去1年間に訪問診療を実施した実績があること。19 「基本診療料の施設基準等」の第六の三の(2)のイの③に規定する褥瘡の発生割合等の継続的な測定及び評価当該施設(療養病床に限る。)に入院する個々の患者について、褥瘡又は尿路感染症の発生状況や身体抑制の実施状況を継続的に把握していること。なお、その結果を「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定の欄に記載することが望ましい。20 有床診療所入院基本料の注11に規定する在宅復帰機能強化加算の施設基準次の施設基準を全て満たしていること。(1) 有床診療所入院基本料1、有床診療所入院基本料2又は有床診療所入院基本料3を届け出ている保険医療機関であること。(2) 次のいずれにも適合すること。ア 当該病床から退院した患者に占める在宅に退院した患者の割合が7割以上であり、その割合は、次の(イ)に掲げる数を(ロ)に掲げる数で除して算出するものであること。なお、在宅に退院した患者とは、他の保険医療機関へ転院した患者及び介護老人保健施設に入所する患者を除く患者をいい、退院した患者の在宅での生活が1月以上継続する見込みであることを確認できる患者をいう。(イ) 直近6月間に退院した患者(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除く。)のうち、在宅に退院した患者数(ロ) 直近6か月間に退院した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除き、他の保険医療機関へ転院した者等を含む。ただし、病状の急性増悪等により、他の保険医療機関(当該保険医療機関と特別の関係にあるものを除く。)での治療が必要になり転院した患者を除く。なお、当該患者の数及び各患者の症状詳記の一覧を、届出の際に添付すること。)イ 在宅に退院した患者の退院後1月以内に、当該患者の在宅における生活が1月以上継続する見込みであることを確認し、記録していること。なお、当該確認は、当該保険医療機関の職員が当該患者の居宅を訪問すること、当該保険医療機関が在宅療養を担当する保険医療機関から情報提供を受けること、又は当該患者が当該保険医療機関を受診した際に情報提供を受けることによって行うことを原則とするが、当該患者の居宅が遠方にある場合等、これらの方法によりがたい場合には、電話等により確認することができる。(3) 平均在院日数が90日以内であること。21 有床診療所療養病床入院基本料の注11に規定する在宅復帰機能強化加算の施設基準(1) 当該病床から退院した患者に占める在宅に退院した患者の割合が5割以上であること。なお、その割合を算出するに当たっては、有床診療所入院基本料の注11に規定する在宅復帰機能強化加算に係る算出方法によるものであること。(2) 在宅に退院した患者の退院後1月以内に、当該患者の在宅における生活が1月以上(医療区分3の患者については14日以上)継続する見込みであることを確認し、記録していること。なお、当該確認は、当該保険医療機関の職員が当該患者の居宅を訪問すること、当該保険医療機関が在宅療養を担当する保険医療機関から情報提供を受けること又は当該患者が当該保険医療機関を受診した際に情報提供を受けることによって行うことを原則とするが、当該患者の居宅が遠方にある場合等、これらの方法によりがたい場合には、電話等により確認することができる。(3) 平均在院日数が365日以内であること。22 有床診療所入院基本料の「注12」に規定する介護連携加算1の施設基準次の施設基準を全て満たしていること。(1) 有床診療所入院基本料1又は有床診療所入院基本料2を届け出ている保険医療機関であること。(2) 5の(1)のイの(イ)を満たしていること。23 有床診療所入院基本料の「注12」に規定する介護連携加算2の施設基準次の施設基準を全て満たしていること。(1) 有床診療所入院基本料3を届け出ている保険医療機関であること。(2) 5の(1)のイの(イ)を満たしていること。

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